「タバコのリスク」を甘く見てはいけない!

「タバコは健康に悪い」ということは、ほとんどの方がすでにご存じかと思います。では、実際にタバコがどのような影響を及ぼしているか、知っていますか?

実は、タバコの煙には約4,000種類の化学物質が含まれ、そのうち約200種類が有害物質と言われています。

タバコの煙の中の有害物質(一例)

そこで今回は、タバコのリスクについて改めて考えていきましょう。

どうしてタバコは体に良くないの?

タバコを吸い続けることで、非喫煙者と比べて様々な病気を発症する危険性が高くなります。

喉頭がんでの死亡率32.5倍!

タバコは、下記の図のように様々ながんの要因になることが明らかになっています。さらに喫煙量の増加に伴い、二次がん(再発転移とは別に新たに発生するがん)のリスクも高まります。

糖尿病の発症リスク1.4倍!

タバコは糖尿病のリスクも高めます。その理由としてはタバコが「交感神経を刺激して血糖を上昇させること」と「体内のインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを妨げること」が関係しています。研究*によると、喫煙者は非喫煙者に比べて糖尿病(2型)に1.4倍かかりやすいことが報告されています。

呼吸困難、血管はボロボロに…

長期間喫煙を続けると、気道や気管支が炎症を起こし、肺の機能が低下していきます。咳やたん、息切れといった症状に始まり、放置すれば普通に歩くだけでも呼吸困難を起こすほど肺がダメージを受けてしまいます

また、タバコに含まれる有害物質は血流にのって全身を巡ります。その結果、経路となる血管はボロボロ・血液はドロドロに。高血圧や高血糖、脂質異常症などの基礎疾患がない人でも、喫煙習慣があるだけで、動脈硬化のハイリスク群に入ってしまうのです。

新型コロナウイルスとタバコ

近年は、喫煙と新型コロナウイルスとの関連性についても研究・分析が行われ、報告が挙げられています。
例えば、喫煙者は非喫煙者に比べて…

  • 1.66倍重症化しやすい
  • 死亡リスクが3倍以上になる
  • 電子タバコの使用者では、免疫機能の低下により、肺炎リスクが14倍高まりやすい

との研究報告もあります。

また、死亡リスクについては吸う本数が増えるほど上がりますが、実は1日1~9本でも2倍以上のリスクがあることが分かっています。

このように、喫煙は重症化・死亡リスクを高め、さらにワクチンの効果も下げてしまいます。

リスクは今日から下げられる!

禁煙は、「今」始めても遅くはありません。禁煙したすぐから体内では様々な改善がみられ、5年も経つとタバコの悪影響は見られなくなるという研究結果もあります。

タバコは百害あって一利なし!
寿命や家族、お金、時間。 タバコがもたらす一時の快楽のために大切なものが犠牲になっていませんか?人生を豊かにする選択肢として、タバコのない生活・環境を目指していきましょう。


禁煙に“失敗”はありません。つまずきも、次のステップへ進むための“経験”ですよ。

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